青二歳

御法度の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

御法度(1999年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

鏡花や潤一郎が好きだった当時、耽美主義映画と観たが見返すとお耽美だが血みどろ新撰組。血のりバジャバジャ。
なんで大島渚が新撰組かと思ったが、新撰組に満ちている組織内の熱狂と同士を束縛し合う息苦しさが学生運動に通じるからでしょうかね。「そうした集団がもつある種の狂気の匂いが若者を惹きつけるのだ」というのも大島渚だと過去の時代の熱気を言ってるのかなと穿ってしまう。
美しいものが法度により固められた組織にほころびをもたらす。美しいものが組織を侵食していく退廃の美学。しかしきれいな分、殺陣が物足りない…SEがあるから余計寒々しい。歌舞伎的殺陣でなく(それは単に大島渚も役者も出来ないだけでしょうが)勇ましい泥くさい殺陣というのはいいと思いますし、引きで撮ったのは良かったです。同じく浅野忠信の殺陣で“五条霊戦記”なんかは寄りで見れたものではなかったし。

こうして役者の中にいる北野武は声が軽くてやっぱり元々役者のキャリアじゃないからなと感じる。松田龍平もまだ声が軽い。当時は松田龍平を美しいと感じられなかったが今思えば18-19で衆道濡れ場デビューなんだよね。
遣手ばば吉行和子と忘八のザコバ師匠が最高。
とまれこの頃にはもう120分超えが当たり前だったので、100分で収める手腕はさすが。
青二歳

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