メイプルわっふるG

御法度のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

御法度(1999年製作の映画)
3.6
「狂人は狂人を呼ぶ」
狼の巣窟にまぎれこんだ白皙の美少年。隊はざわつき衆道が再燃。副長土方(北野武)はうんざりするも収束を図る。

原作小説『新選組血風録』(司馬遼太郎) 既読&所持。
&DVD所持。
以前今作を見たのは10年以上前。
フォローさせて頂いている健一さんのレビューに触発され、収納奥に眠っていたDVDを掘り起こしての再鑑賞。

とにかく妖しい。ひたすら妖しい。
まさに子供以上、大人未満な松田龍平さん。
言葉少なな無表情。口を開けば、変声期特有の脆く儚い、それでいて妖艶な声。
まれに見せる無邪気な笑顔。笑みから漏れ出す喜悦と狂気。
 化物め ぺ! by.土方歳三

坂本龍一さんの音楽が否が応でも雰囲気を増幅する。
終盤の霧雨にけぶる河原は、幻想的で怪談ものの舞台を見ているかのよう。または大映特撮妖怪シリーズみたいな昂揚感?
そしてラストの桜は、桜前線真っ只中(東京)の春分の日におあつらえ向きなショット。
良きタイミングで見れたこと、まこと善き哉。

モチーフ、キャスト陣、映像もろもろ、以前に比べ格段に楽しめた。
そもそもDVD入手時は、浅野忠信さん目当てで買い漁っていたうちの一本だったものだから「あれ?主役ちがう? 出番少なっ」なんて印象だったし。大いに反省。

あと田中要次さんと寺島進さんの末路。昔ながらのお化け屋敷(純和風)に行きたくなる、懐かしく素晴らしい造形。


鑑賞 2021.03.20 DVD