kazu1961

御法度のkazu1961のレビュー・感想・評価

御法度(1999年製作の映画)
3.5
▪️JP Title :
「御法度」
Original Title :
※※※
▪️First Release Year : 1999
▪️JP Release Date : 1999/12/18
▪️Production Country : 日本
🏆Main Awards :
第42回ブルーリボン賞 作品賞
▪️Appreciation Record : 2020-540 再鑑賞
🕰Running Time : 100分
▪️My Review
新選組を題材としながら、非常に妖艶な世界観の作品ですね。坂本龍一の音楽がその妖しさを増しています。
大島渚監督曰く、「ヴィスコンティ映画を目指した」と言っています。その通り、男色・同性愛をテーマとした妖しく退廃的な群像ドラマとして極めて完成度が高い作品です。
本作は、体調を崩していた大島渚監督13年ぶりの復帰して制作した作品です。映画『戦場のメリークリスマス』 以来となる監督・大島渚、主演・ビートたけし、音楽・坂本龍一のトリオ復活し、松田優作の息子当時16歳の松田龍平の初出演などで話題となりました。しかしながら本作は大島渚監督の遺作となってしまいました。。。
司馬遼太郎の短編『新選組血風録』収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」をもとに、幕末の京都を舞台に、新選組を男色の視点から描いた異色時代劇です。新選組に美少年剣士、加納惣三郎が入隊してきました。隊士たちは彼の美貌に惹かれて、隊内の雰囲気がおかしくなってきます。組織を揺るがす男色はまさしく御法度でした。。。
加納役は松田優作の長男、松田龍平であり、彼の美少年ぶりは際立っています。加納に惚れる隊士に浅野忠信、加納が憧れる沖田総司に武田真治と、彼を取りまく美貌の剣士たちが、松田をしっかり支えています。また、土方歳三のビートたけしをはじめ、近藤勇の崔洋一、隊士のトミーズ雅、坂上二郎など異色の配役ながら、新撰組隊士らしい骨太の面構えが並んでいるのも、この映画の見どころのひとつですね。
そして何よりもその世界観とその心情風景の描き方が秀逸。同性愛をモチーフに、耽美的な色彩で捉えた映像や衣装、美術が際立ち、坂本龍一の音楽も、不思議な魅力を奏でています。さらに同性愛をモチーフにしながらも司馬の原作を生かしながら、映画としての独創も盛り込み時代劇としても完成度の高い作品になっています。
ラストに向けての伏線回収、加納の行動と動機、沖田との関係。。かんがえながら観るとこれまた面白いですね。

物語は。。。
幕末の京都。時代の流れに逆行し、幕府の非常警察として抗争に明け暮れる新撰組に、惣三郎という新人が入隊します。妖しい魅力を放つ美少年・惣三郎に対し、次第に心を惑わす血気盛んな剣士たち。やがて隊内は、嫉妬や羨望を交えた不穏な空気に包まれますが。。。

▪️Overview
誰もが知る新撰組の世界を、大島監督がまったく新しい解釈で綴った異色時代劇。厳しい戒律によって結束を固めてきた新撰組に、ある日妖しい美貌の少年が入隊したことから起こる隊士たちの騒動を描いた時代絵巻。匂い立つような男の殺気と色気、愛と闘いをドラマティックに美しく描きあげる。隊士を惑わす主役の美剣士役には、故・松田優作の長男・松田龍平を大抜擢し、豪華キャストが脇を固める。また、ワダエミ手がける衣装の斬新さ、夜間の殺陣シーンの美しさなど見所も多い。(引用:映画. com)

▪️Director : 大島渚
▪️Writer : 大島渚
▪️Music D : 坂本龍一
▪️Cast. : ビートたけし、松田龍平、武田真治、浅野忠信
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