ダイナ

コン・エアーのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

コン・エアー(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

幸せから殺人から服役から仮釈放まで冒頭の目まぐるしさの凝縮し過ぎ具合、タイパを気にする現代人を黙らせるサクサク進行に頭が上がりません。

安全買わずに「子供に顔向け出来ないから悪に立ち向かう」精神性、ランニングシャツ姿のテカテカ眩しい上腕二頭筋目立つ図体とオーラが凄い長髪、娘へのプレゼントを必死に守るコテコテなパパ像、映画によって印象が大きく変わる俳優筆頭ニコラスケイジは本作では王道のヒーローでカッコいい。頭脳派相方ポジションのジョンキューザックも良い動き、機内と機外の舞台を別としたバディ感はダイハード的で好みですし、信頼人数の下りもクライマックスの清涼感半端ないです。脇を固めるスティーヴヴシェミやヴィングレイムスの起用も嬉しく、特にジョンマルコヴィッチ演じる「猛毒のサイラス」のTHE悪役感と言ったらもう、11人手がけた程度で「癌細胞より人殺した」とほざいちゃうニヤニヤするしかない宣伝文句、大物グリーン(ヴシェミ)に下手に出るという点からどうしても漂う小物臭、終盤の粘りから散り際まで良い悪役ムーブ。女の数墨を掘る設定のダニートレホといい、脇役設定考えるの絶対楽しかっただろうと思わせる脇役の濃さ、トッピングが多すぎる大味なラーメンみたいでこういう作品は嫌いじゃないからもっと盛れ。キャラと展開、王道コテコテを抑えた昼下がりのポップコーンムービーとして楽しい一作。

ただ一つ心残りなのは、途中追加されたグリーンなんだったん?と思うぐらいの出番の少なさ。匂わせ描写や周囲からの前評判、ブシェミが大物悪役!?という期待を裏切る空気具合で本筋に余り絡まなかったのは些か残念。よく言えばこのような事件に干渉せず達観してる器とも言えますが、「少女に手をかける外道で対立(サイラス組に加勢)」なのか、行動が展開を掻き回すジョーカー的役回りなのか、何らかの動機が一致し主役に加勢する役なのか
とどのつまり、「ヤバい奴」と謳うのであれば相応の出番が見たかったなぁと。サイラスは好きだけどやっぱり小物感がね、ということでサイラスをヴシェミを尊敬しない凶悪性高めに描いてくれたらチョイ役処理も良かったなという感想です。
ダイナ

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