似太郎

トップをねらえ! 劇場版の似太郎のレビュー・感想・評価

トップをねらえ! 劇場版(2006年製作の映画)
4.3
【行け行け、ぼくらのガンバスター】

オタク集団【ガイナックス】初期の悪ふざけアニメ。庵野秀明は本作では雇われ監督に過ぎず、脚本を書いた岡田斗司夫のカラーが出まくった作品。また酒井法子によるオープニング曲が笑わせる。

エヴァンゲリオン以上に「気持ち悪〜〜い」オタク臭が全開でいったいヒロインが何の為に戦ってるのかサッパリ分からず「なんか良く分からないけど戦ってる」「なんか知らないけど宇宙怪獣がやって来る」という徹頭徹尾アホーな設定で吹っ切っているところがまた凄い。

本劇場版は元々OVA(3巻セット)だったものをサクサク編集して纏めたもの。ぼくはかつて庵野秀明の『トップをねらえ!』のDVDは持っていたが、すぐ飽きて売った為この劇場版の方がコンパクトに纏められておりシックリ来る。後半パートは製作費をケチってモノクロと化す。

エヴァ程自意識に淫してないので、極端に右傾化したディストピア青春SFアニメとして良く出来た作品。出崎統の『エースをねらえ!』とトム・クルーズの『トップガン』を混ぜこぜにした結果がこれです。現代思想家の東浩紀言うところの「動物化するポスト・モダン」が本作ではよく反映されています。🚀🌏
似太郎

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