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バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリストのペインのレビュー・感想・評価

4.3
ニコラス・W・レフンや
S・クレイグ・ザラーも大好きな"刑事とドラッグとキリスト"

某著書で、"才能はあるがメリハリのある脚本を書けない人"としてジョン・カサヴェテスと共に名前が挙げられていたのが本作のアベル・フェラーラと聞いて腑に落ちるものがあった。両監督共にハイセンスなNY出身の"THEインディペンデント作家"であるという共通項がある。

観ている間の"酩酊感"のようなものこそニコラス・ケイジ主演版『バッド・ルーテナント』の方が高いが、本作は全編フィックス及び長回しの多用によるドキュメンタリックで地を這うような生々しさがある。荒廃したNY描写にも痺れる。

ニコラス刑事は劇中、たしか車中の女の子を捕まえてヤっちゃっていた記憶があるが、本作のカイテル刑事は自慰するに留まっていた←まぁどちらにしても酷いが(笑)

やはり映画で徹底したダメ人間を観るとどこか救われる部分があり、清々しい気持ちになる。今のところ『ドリラー・キラー』に次いで好きなアベル・フェラーラ作品。
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