浅野公喜

三人の妻への手紙の浅野公喜のレビュー・感想・評価

三人の妻への手紙(1949年製作の映画)
3.2
ピクニックに出かけた3人の主婦のもとに共通の友人であるアディという女性からあなた方の誰かの夫と駆け落ちするという手紙が届く・・というジョセフ・L・マンキウィッツ監督脚本のドラマ。

一人一人が自分の夫が駆け落ちしたのではないか・・と、そのきっかけとなりそうな過去の出来事を回想する流れですが、その回想一つ一つが今となってはやや冗長でここの評価の高さの割にはそこまで嵌らず(手紙をきっかけに楽しいピクニックがギクシャクして三人の仲が悪くなり喧嘩が始まる的なドタバタしたものを期待していたというのも有りますが)。しかし台詞は洗練されており、中盤にはラジオというメディアへの批判をさり気無く盛り込み、アディという女性は姿を見せず声のみ登場するという設定はユニークで3人を困らせつつも自省を促し夫の存在に感謝するような流れももたらす不思議な役割が印象的であり、舞台劇にもマッチしそうな内容でした。
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