April01

地上最大のショウのApril01のレビュー・感想・評価

地上最大のショウ(1952年製作の映画)
3.5
✨グロリア・グレアム✨
サーカス団のパフォーマンスを楽しめるのは勿論のこと、動物を引き連れた大所帯の団の大移動の様子、巨大な舞台の建設や利益重視の経営陣と現場を仕切る団長との駆け引きなど、裏方も含めて詳細に描かれ、今はなかなかお目にかかれない当時の一大エンタメとしてのサーカス愛に溢れた作品。
その中で、団員同士の恋愛や三角関係、友情などが盛り込まれ、人情ものとしても面白い。

ただし、終盤の事故の下りは、その顛末がご都合主義すぎて、ドラマとして浅薄になってしまったのが残念。嫉妬心が動機で悪事を企む男が愛する女を守るために犠牲になるところを軽く扱いすぎてるし、その後、その女は犠牲になった男の事なんか忘れて違う男とくっつく予感を漂わせ、無理やりハッピーエンドにしたようで、途中の悲劇が宙ぶらりんで浅はかなストーリー展開になってしまっている。

メイクした道化姿は手配写真を見るまでジェームズ・ステュアートとは全くわからない。彼が演じる意味あったかな。

グロリア・グレアムはクセのある強気な女性の演技が素晴らしく、途中ベティ・ハットン演じるヒロインと張り合う場面は見ごたえがある。
ツンとした鼻筋の美しさと切れ長の目、涼しげな目元に改めて魅力を感じて目が離せない。
April01

April01