ryosuke

メイン州ベルファストのryosukeのレビュー・感想・評価

メイン州ベルファスト(1999年製作の映画)
3.8
やはり四時間集中が続くという訳にはいかなかったな。 冒頭の海のカット割りを見て最後まで集中切らさないでいけるかと思ったがまあやっぱりダレた。 人が喋っているシーンよりは、何か作業をしているシーンや機械が駆動しているシーンの方が好み。
合間合間に風景のショットや通過する車のショットを細かく挟んでテンポをつける。
ジャガイモや魚を処理していく過程が楽しい。
イワシの缶詰め工場では、流れてくる魚の一匹だけにピントを合わせることで、まるで泳いでいるかのように見えるショットがあり面白かった。
イワシの缶詰め工場から海へと滑らかにイメージが連鎖する。
漁船の入港や日没をフレーミングを細かく変えて編集する映像も楽しい。
狼の射殺は結構ショッキングであった。
演劇の練習は熱があり意外と引き込まれた。
裁判所がめちゃくちゃ流れ作業なのも印象的。 軽犯罪だと大して深刻さが無いもんだな。
「セールスマンの死」という言葉が二度登場したり、最初の方に登場した家族関係に問題を抱えている女性が最後に再び出てくるなど、題材はバラバラではなく関連をもってまとめられている。
コインランドリーを蹴りつける女性や、食品の模型をかじって泣きそうになる子供などクスッと笑える描写も。
「白鯨」ちょっと読みたくなった。
南北戦争おじさんも印象的だった。ワイズマン映画見てるとアメリカ人ってやっぱり合衆国とその歴史好きだなと思う。当たり前だけど。
もうすぐお迎えがくるとあっけらかんと述べる老女や、息も絶え絶えで介護を受ける老人の姿が印象に残った。
ラストは州議会同様祈りで締める。
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