April01

ハリー・ポッターと秘密の部屋のApril01のレビュー・感想・評価

3.5
1作目に引き続き、ジョン・ウィリアムズの音楽が世界観に合っていて、魔法の世界の魅力と壮大な世界観を美しく彩って効果的。
原作読みながら再鑑賞。

ダーズリーおじさんが来客に言いたかった日本人ゴルファーのジョークのオチが何だったのか気になる。

ホグワーツ特急に乗るための駅のホーム、ドビーが閉じてしまいウィーズリー夫妻はどう戻ったのかな?ハリーも言ってたけど。
その点を放置するくらいなら言及しなければいいのに。
原作は夫妻がどうやって戻るかなんて気にしてなくてスルーしてるから余計に不自然。

イジメは全編通してテーマの1つとなっているけれど、本作もハリーがパーセル・マウスと知ってから、おなじみ全生徒からヒソヒソ陰口の陰湿イジメを極める描写が容赦ない。

再見してもやはり釈然としないのはバジリスクとの戦いの場面。
間延びしてるし安っぽいし、あまり怖くない。
ハリーが必死に戦ってるそばでリドルが突っ立ってるから余計に緊迫感に欠ける。

一方でドビーの映像化が素晴らしい。最初イライラするけどキモ可愛い!

ギルデロイ・ロックハートの件は、そもそも彼自身が自分を大きく見せるために術を使って、身分を偽っていたということだけれど、ホグワーツにおいて、他の先生方、特にマクゴナガルとスネイプが彼への軽蔑、実力の無さをわかっていることがあからさまに描かれているし、原作もそう。
だからこそ疑問なんだけど、まさかダンブルドアも騙されてたわけではないよね。
闇の魔術に対する防衛術の教師という、スネイプも羨む人気ポジションになんで採用されてるのかという不思議。
で、彼についてはとても興味深くて、実力不相応な職を得て、自分自身に務まらないことをわかっていながら、あそこまで自信たっぷりにふるまえるのは本当に面白くて、ケネス・ブラナーの演技力も相まって本作で一番面白いキャラクターだと思う。
しかもその偽りの自信に、ハーマイオニーまでもが騙されててメロメロな様子からも、現実の社会にもこういう騙し系いるよねというリアルな感じがジワジワくる。
要は他人の業績を自分の手柄にする人。こういう上司の下についた有能な部下は不幸なりと思いながらニヤニヤしながら見させてもらう。しかもそのイヤらしさが周りに実はバレているというところもツボだったりする。

原作にあって映画では省かれているところで是非描いて欲しかったと思うのは、ウィーズリー家の庭小人駆除、ウィーズリー家のロンの部屋、首無しニックの絶命日パーティあたりかな。

どうしても納得いかないのは、ハグリッドが戻ったことは、ただ戻れただけなのに、映画ではなんであんな大げさに大歓迎、大感動、クライマックスみたいな描き方をしたのか。
そこは別に頂点ではないんだけどな、と思いながら少し白ける。
April01

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