広く賑やかなレストラン内を舞うように給仕するイヴ・モンタン。この様を長回しで捉えるオープニングからエンディングに至るまで、優雅な身のこなしや、スーツの収まりがよい頑健な肉体といったモンタンの身体が収められている。元はダンサーだったいう人物設定は、踊りは披露しなくても身体が雄弁に裏打ちしている。
モンタンの役柄は当然ながら女にモテる。自分から追いかける女もいれば、追いかけてくる女もいる。追いかけていた新しい女と馴染んだ後も一夜の付き合いは拒まない。新しい女にこのことを追求されたのかと勘違いして動揺する場面は微笑ましい。
モンタンが海岸でコンパクトな遊園地を開業する真意は分からないけれど、繁盛して人が溢れている様はレストランと変わらない。
