春とヒコーキ土岡哲朗

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団の春とヒコーキ土岡哲朗のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

闇を目前に、仲間に涙する。

ドローレス・アンブリッジ、一番嫌いなキャラ決定。ヴォルデモート陣営じゃない悪役という特殊な立ち位置で、ヴォルデモート陣営の誰よりも腹立たしい。ハリーを嘘つき扱いして「ぼくは嘘を言ってはいけない」と、自分の手の甲に刻み込ませる虐待は心底むかついた。ロンの兄の双子がテストに乱入して花火を打ちまくったのは、生徒と同じくこちらも爽快。生徒に紛れてゴブリンの先生もガッツポーズするところにはゴンフィンガーを上げてしまった。そして、巨人とケンタウロスにボコボコにされるの決定なドローレスがハリーに「私はいい人間だと言って!」と言ったら、ハリーが「ぼくは嘘を言ってはいけない」と返したところに、またゴンフィンガー!こいつのおかげで、今までで一番スッキリするくだりが生まれた。闇軍団との戦いに行く前に、平和だと言い張って戦いの準備を邪魔する役人と戦う回だった。

また泣いた。ダンブルドア軍団がハリーと一緒に戦地に行こうとしたとき、ハリーは危険だからと皆を遠ざけようとする。しかし、みんながそれをさせない。「戦うために訓練したんだ」「口先だけたったの?」「仲間だろ」。泣いてしまった。前作で心配した、ハリーが自分だけ色々背負わされすぎて「皆には共感できない」と孤立するのではという問題。ハリー自身は、その通りだった。でも、そうさせない仲間がいてくれた。
このシリーズ、めちゃめちゃスター・ウォーズだ。ハリーも「選ばれし者」と言われ出したし。ベイダーの息子なのと同じようにヴォルデモートとのつながりがあることが嫌だって設定も出てくる。しかし、アナキン三部作がバッドエンドに終わってもルーク三部作で取り返せるスター・ウォーズと違って、このシリーズは一発で勝たなければいけない。そんな縛りを感じながら楽しむ。自分が闇と触れることへの恐怖はスター・ウォーズよりとてもよく描かれてる。

スネイプが教科書でロンの頭を叩くとこ面白い。