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最後の博徒のyusukepacinoのレビュー・感想・評価

最後の博徒(1985年製作の映画)
2.7
鶴田浩二の遺作として知られる本作。
『仁義なき戦い』等の実録路線も終わりを迎えヤクザ映画のブームも去っただいぶ後に作られた作品。往年の東映を支えた面々が多く出演しており正に”最後”な作品となっている。
主演に松方弘樹を起用。小松方正によるかつての実録路線にあったようなナレーションも聞ける。
しかしながらこの映画にあるようなものはもう70年代にやり切っているため監督や役者を代えるだけでは物足りない。プログラムピクチャー内にあった緊張感や勢いもなく1本立ちの映画のためかゆったりと進んでいき見せ場は特になくラストもあっさりしたものだった。
最後まで任侠、ヤクザ映画に拘った山下耕作監督。鶴田浩二と組んだ名作『博奕打ち 総長賭博』のような冴えた演出は見られないのが残念だがその鶴田浩二を本作に起用した点は褒め称えたい。
時代にそぐわないものとなってしまっている映画。枯れた感がありながらも存在感がある鶴田浩二の魅力で辛うじて保っているような作品だった。
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