首塔えい

MOON CHILDの首塔えいのレビュー・感想・評価

MOON CHILD(2003年製作の映画)
2.8
あのミュージシャン・タレントとして知られるGackt原案、
そしてGacktとL'Arc~en~Cielのhydeダブル主演という
幻の映画。
正直この二人のビジュアルありきのファンムービーの一種。
ぶっちゃけ二人の顔が良くなかったら見るに堪えない内容。
若き日の二人もビジュアルは最高だが
喋りだしたらズコーってなる演技…
お話も演出も薄っぺらく、
棒立ちガンアクションは特に酷い。
銃撃戦のスタントもうちょいどうにか
ならんかったんか…?ボンボンボンって銃声もダサいし。

和製「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」に
なりそこなった感。比べるのも失礼やが…
なんせhydeがヴァンパイアな設定とかいう
超美味しい素材を全然活かせてないし。
のちのVAMPSの「VAMPIRE'S LOVE」のPVに負ける
ボリュームの2時間って何…?
どのエピソードも「これがやりたい」
というアイデアはあっても、肝心のピースが抜けまくりで
綺麗な全体像が永遠に見える事のない
不完全なジグソーパズルのようだった。
中途半端にたけし映画を意識したような
ヤクザ要素と台詞回し盛り込んでるのもダサい。

演技初挑戦のGacktも大概だけど
hydeに比べたらまだマシで、
hydeの演技は観ていて体がこそばゆくなる…
喋りさえしなければ所々良い表情してんのに…ってなる。
ファンならそれも笑って許せるかもしれんが。
そういう意味では見どころは多いかも。

俳優だった頃の山本太郎は演技上手かったんやなあ…
いやマジで。彼と一緒に映ってるシーンだけは
場が締まってるように感じたし、
途中で退場してからの展開はあまりに苦痛過ぎた…
トシー!!生き返ってくれー!!ってなった。
(これぐらいネタバレでもなんでもない。
だって予告編でも見せてるし)

それにしてもGacktの役の子供時代の子が
あの本郷奏多だったとは…
Gacktが子供なら多分こんな顔してるやろなあっていう
良い面構えしてたが、まさかすぎる出世ぶり。
冒頭だけ登場する儚げで美しい豊川悦司さんや
石橋凌さん・寺島進さんもいい味出してる。

せっかく美味しくなりそうな素材は揃ってたのに、
こんな学芸会レベルの演出とスカスカの脚本じゃなく
もっと丁寧に作られてたらなあ…と言わざるを得ない。

繰り返しになるが
二人のファンが「昔こんな映画やっとったんやな」と
知る以外のメリットはあんまないかも。
首塔えい

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