チッコーネ

ランページ/裁かれた狂気のチッコーネのレビュー・感想・評価

ランページ/裁かれた狂気(1988年製作の映画)
2.5
死刑判決の是非を問うというテーマに、猟奇連続殺人犯というエキセントリックな素材を混ぜてしまったばかりに、脚本及び編集が混乱してしまっている失敗作。
実際のシリアル・キラーのエピソードが脚本に取り込まれており、数年後の『羊たちの沈黙』を先取りしている面白さもあるのだが、犯人の脱走シーンは非常に悪趣味。どう考えても外圧に負け、後から撮り足したとしか思えない。
「死刑制度を廃止を訴える、良いチャンスじゃない」という台詞があったが、「本当に中身のある、良い映画を撮るチャンスだったのに」、と監督に言ってやりたいところだ。

蛇足だが『ツイン・ピークス』に大きな影響を与えた作品では、と勘繰らせる。ザブリスキー女史の出演はもちろん、レコーダーに向け心境を録音する主人公のアクションは、クーパー捜査官にそのまま受け継がれている。