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プルートで朝食をのlarabeeのレビュー・感想・評価

プルートで朝食を(2005年製作の映画)
4.5
【本当の自分探しとはこういう事】

パトリックは生まれてすぐに教会の入口に捨てられ、その後は里親に育てられ過ごす。生理的には男性だが女性として生きていくパトリック。パトリックは産みの母親を探す旅に出ながらその自由奔放な生き方で関わる人たち巻き込んで一生懸命前向きに生きてゆく。

とにかく『クライング・ゲーム』のニール・ジョーダン監督作品なら観ない訳にはいかない。とは言え実際はニール・ジョーダンというだけで期待値が高まりすぎて…という作品もある中、本作は?結果、会心の出来栄え。いやぁ、面白かった。

『クライング・ゲーム』のように考えされられる作品というより、とにかく明るく前向きに生きて行こうと思わせる作品。主人公のパトリックから沢山の元気をもらえる。こんな明るくポジティブな作品も作れるのね、ニール・ジョーダンさん。

実の父、母の顔も知らず、そして自分の性別にも違和感を感じているパトリック。決して恵まれた環境で生まれた訳ではないのに、そんな事は関係無く前向きに生き、色んな人たちと関わりながら実の母親探しの旅に出る。

結局、母親探しは彼にとっての自分探し、アイデンティティを見つける旅でもある。癖の強い人たちと関わりながら自分と向き合い自分を探す事となるパトリック。

そのポジティブな生き方から、私たちも沢山の気づきを得られるし力を貰える。こんなに前向きな気持ちになれる映画もなかなか無い。日々の生活に疲れた時に観たら、もう一度頑張ろうという活力を貰える。

オープニング曲に『シュガー・ベイビー・ラブ』を選んだ時点で勝ちは決まったようなモノ。

ニール・ジョーダンもこんな明るい作品撮るんだと新しい魅力を発見。
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