さくらもち

プルートで朝食をのさくらもちのネタバレレビュー・内容・結末

プルートで朝食を(2005年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

トランスジェンダーの映画はいろいろ観てるけど、今回の主人公キトゥンはトランスジェンダーということに後ろめたさのようなものを感じずほんとにまっすぐと自由に生きている人だなと思った。トランスジェンダーであることに悩むシーンはほとんどなかったように思う。

境遇や環境はいろいろと大変で辛いのだけど(戦争とか爆撃とかあって本当に辛い)、キトゥン自身は「だから何?」みたいなあっけらかんとした態度でただまっすぐ自分を生きている。

それがちょっと感情移入しづらく、演じるキリアン・マーフィーも美しいのだが、何か足りなく感じた。

キトゥンが境遇の割にはのびのびと生きているのに対し、恋人や友人はとんでもない事件に巻き込まれているのをみてそちらの方が気になってしまった。
彼氏が変わっていくのを感じながらも子供を産んだ彼女の姿が美しく感じた。友人たちに小言を言われながらもバンドメンバーにしていた恋人もすごかった。キトゥンを知っていながらも、ずっと本当のことを言えなかった神父もとても辛そうだった(リーアム・ニーソンだから余計に)。

けれど、本当のお母さんに会いに行く通信業者の営業OLキトゥンは普段の自由さとは違う誠実さを感じて、すごく好きだった。
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