カリフラワー

プルートで朝食をのカリフラワーのレビュー・感想・評価

プルートで朝食を(2005年製作の映画)
3.8
キトゥンちゃん、私が人生を賭けて守りたい……………
『インタビュー ウィズ ヴァンパイア』と同じ監督なんだ……どうりで、どちらも視覚的な世界観の作り方が上手いもんなあ。

今観るとキトゥン役が当事者じゃないとか、トランスジェンダーのステレオタイプを補強してしまう言動とか色々あるかもしれないけど、「キトゥン」自身は映画を作った人たちに愛情を注がれて出来上がったキャラクターな気がして、すごく愛おしかった。

「自分の人生は物語だと思うことにしてるの、そうじゃないと泣いてしまうから」っていう言葉でこっちが泣いた… キトゥンちゃんの強さに泣かされるよ………描かれてない日々にもキトゥンちゃんはたくさん傷つけられて、そのたびに物語の主人公になって涙を我慢してきたんだろうな……

作品としてはすごく好きだった。"差別される人間はせめて気丈に生きなきゃダメだ"みたいなタイプの抑圧は嫌いだけど、それとはまた別の、悲壮感がずっと根底に流れてたように思う。アイルランドの壮絶な歴史も相まって。ラストも、幸せなように見えてやっぱりみんな色々なものを失いすぎてる。