私自身、長年イアンを神のように祀りあげている、よくいるイタいジョイディヴィジョンファンの一人に過ぎないが、こういう態度が果たして良いものなのか考えさせられる映画。だってイアンは癲癇持ちだっただけで、マンチェスターの職業安定所で働く、友達もいっぱいいて気さくで優しい、ごく普通のワーキングクラスの青年だった。若くして自死を選んだというだけで神格化してしまう世間や自分の安易さに、少し辟易する。
スミスのイングランドイズマインなんかに比べたら、主演のサムライリーは本当にイアンにそっくり。ライブ中のダンス(あれも癲癇由来の可能性があるが)も完璧だし、ミュージシャンのドキュメンタリー映画としては最高峰だと思う。
暗い気持ちになるのであまり見返したくないが、いつか彼のHATEと書かれたジャケットは真似してみようと思う。