単純で漢気あふれる渡世人がひょんなことから若様と出会って義兄弟の契りを結び刺客と戦いながら江戸を目指すコメディ時代劇。ストーリーは普通ですが直球ブロマンスということで高評価です。ラストシーンでは叫びました。安定の田中徳三ワールドでした。
古典的少女漫画の物語展開でもって渡世人と若様という身分差友愛を描いているので、女たちが最終的には空気と化していましたが、これはこれで正解だと思います。妖艶な美女に迫られる雷蔵も良いものですが、元気いっぱいな美少年と抱擁する雷蔵はまた格別の味わい深さです。良いもの見たなと思います。
いったん別れ別れになる場面で「本当は好きだった〜」という未練たらたらの歌謡曲が流れたのはちょっと笑いました。男女の別離を歌いつつ男2人の内面も同時に描く手法だと思いますが、なんせ歌詞が直球すぎるし、音量もデカすぎました。分かりやすくて良い映画です。
