タミキーリ

濡れ髪三度笠のタミキーリのレビュー・感想・評価

濡れ髪三度笠(1959年製作の映画)
3.5
雷蔵の『濡れ髪』シリーズをもう3作観た。その当時人気だった芸人や歌手グループが出演したりして、全体的にお祭り映画。今回は、本郷功次郎とコンビを組み、兄弟盃を酌み交わしたという設定。追いかける女は淡路恵子。そして、ヒロインは中村玉緒。女性陣のバランスが良く、淡路恵子は粋でカッコよく、中村玉緒はひたすら可憐な乙女。いやもう玉緒さんがめちゃくちゃ可愛い。今回本郷功次郎が演じる長之助の素性から命を狙われることが数回あり、立ち回りはかなり多め。しかも中盤の展開からちょっと面白い関係が描かれていて脚本も楽しい。後半にある、どうみても勧進帳だろという展開にも笑ってしまった。世間知らずのお坊ちゃんが、だんだんと半次郎と旅をするうちに、渡世人の色に染まっていく様が、上手く描かれていて、そのくだりも物語の鍵になっていた。