このレビューはネタバレを含みます
放蕩息子ディッキーに憧憬とも恋慕ともつかぬ気持ちを抱くあたりまでは、主人公トム・リプリーに肩入れして観ていたけれど、まさかディッキーを殺してしまうとは思っていなかったので衝撃だった。
しかもその後、パニックを起こして逃げるでもなく、殺したディッキーに成りすまし、嘘が露見しそうになれば更に殺人に手を染めていくなんて、さすがに同情の余地なしでしょ…。
こんなことになってしまった原因は、トムの自己肯定感の低さにあると思うけど、メレディスやピーターから好意を寄せられたところを見れば、トム自身に魅力があったことも間違いないのに…それなのに…。
なんとかして悲劇の回避はならなかったものだろうか?
ボートで血だらけのディッキーを抱くトムも悲しかったけど、トムに寄り添い、一番の理解者であろうとしてくれた優しいピーターまで手にかけてしまったラストは言葉にならない。つらい映画だった😭