猫山

リプリーの猫山のネタバレレビュー・内容・結末

リプリー(1999年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

嘘に嘘を重ねていくトムの視点で進んでいくため、ハラハラしながら楽しめた。
疑われないように振る舞うし疑われたら殺すという手際の良さに笑いさえ覚えながら観ていた。内面描写やストーリー性は控えめだったが、次の展開が常に気になり、とても楽しめた。

最後の落ちは賛否あると思うが、個人的には納得。
トムがアイデンティティにかなり悩んでいたのは分かるが、それにしても嘘と罪も重ねすぎていたので、ピーターの言葉に救われて自首エンドとかだったらそれはそれでモヤッとすると思う。
支えてくれる愛すべき人がいる状態での自首よりは報いとして成立しているオチだと感じた。
彼が彼の都合のために殺して来た2人を考えても、彼だけがピーターに救われるのはどこかいけ好かない気がしてしまうので、結局アイデンティティの崩壊という破滅の道へ進むことになるのは彼にとっての罰として重めの物なのではなかろうか。法で裁かれない分、大切な人を殺したという自責の念に苛まれ続けてほしい。
猫山

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