“愛の奇跡”
咲き誇る桜、新たな門出・・・春になると見たくなる映画の一つである「四月物語」。
北海道から上京してきた女子大生のたわいもない日常を岩井俊二ワールドらしく瑞々しく描いた作品。カメラワークや光が綺麗に差し込むエモーショナルな映像が好みだし、デビューして間もない松たか子がとにかくキレイで魅力的。
演技をしているようでしていないようなナチュラルな松たか子の演技が印象的で、新生活に対し不安と解放感の狭間で揺れ動く感情を目線やぎこちない動きで繊細に表現されていた。
決してドラマチックではないし、淡々とストーリーが進んでいくので、好みはわかれそうだけど、まるでドキュメンタリーを観ているようで、67分と時間もちょうど良く、どこを切り取っても絵になりそうな淡く美しい世界観が私は好きです。