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四月物語のtubameのレビュー・感想・評価

四月物語(1998年製作の映画)
3.9
大学進学を機に田舎から上京してきた女の子。
タイトル通り、4月のほんの一瞬を切り取った短い物語で、劇的なドラマは全くない。

にも拘らず心を捕らえて離さないのは、慣れない環境での不安や焦りや期待、微妙な距離感の人間関係など、とにかく4月特有の描写が秀逸だから。
多分誰もがあるある~って思ってしまうリアルさだ。

恐らくデビューしたばかりの松たか子も初々しくて可愛い。特に終盤の、先輩とのエピソードがいい。何気無い日常を描くのがやはり岩井俊二監督は巧いと思う。

観ていると、主人公のように自分も人も、まっさらな状態からつながりを作ってきたのだと実感させられた。
当たり前のようだけど、それってすごい。今縁ある人々に感謝。
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