Benito

敵は本能寺にありのBenitoのレビュー・感想・評価

敵は本能寺にあり(1960年製作の映画)
3.8
【 明智光秀一族が不憫でならない… 】

この映画を観ていると、明智光秀が何故信長を討ちたくなったかがよく判る。つまりガチ光秀目線で、光秀寄りで描かれた作品。

・1960年に公開された松竹時代劇映画。
・「麒麟がくる」で描かれた戦国時代の武将、明智光秀が主人公。
・本能寺の変に至るまで、そしてその後の光秀の最期までが描かれてる。
・脚本は小説家の池波正太郎。

歴史上有名な "本能寺の変" は
織田信長に仕えていた明智光秀が豊臣秀吉の援軍に命じられたにも関わらず光秀は道中で突然進路を変更し、京都の本能寺に宿泊中の信長を急襲したというもの。

本作はその後の光秀側の混迷も描いていて、本能寺炎上で光秀の首が見つからなかった事が原因で起きる末路が悲しげに展開していく。でも、どこか神々しいラストシーンは好きだった。

役者は…
・明智光秀を演じたのが8代目松本幸四郎(初代松本白鸚)。つまり二代目松本白鸚(松たか子や7代目市川染五郎の父で9代目松本幸四郎)の父にあたる。歌舞伎役者は名前が変わっていくから、ややこしい。
・織田信長を演じたのは田村高廣。田村正和の兄。
・明智光秀の家族に淡島千景、岸惠子。
・家康を演じたのはスター 嵐 寛壽郎。
・秀吉を演じたのは河津清三郎。
しかし、滑舌が悪い(田村)信長は完全に悪役扱い。ひたすら光秀を追い詰め、額に大きな傷をつけてしまうし、後半はその傷が反乱を正当化するシンボルになっているようにさえ感じる。この映画は(幸四郎)光秀に同情するしかない、そんな作品。
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