ごじゃ

BLOOD THE LAST VAMPIREのごじゃのネタバレレビュー・内容・結末

BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

フルデジタルで制作した日本アニメーションのはしり。従来のセル画を用いる方法とは異なり、背景、動画(ここではキャラクター等動く絵という意)の区別が薄い。前者は紙とセルといったように、描かれている媒体から異なるためどうしても背景と動画の間の差異が大きくなる。しかし、後者ではどちらもパソコン上の素材でしかなく、着色なども同じルールのもと行われる。それにより、後者は前者に比べて画面全体の調整が行いやすいと考えられる。デジタル上の背景、3DCG、動画などを並列に捉え、フィルター等ビジュアルエフェクトを用いてそれらを同じ世界のものとして提示している。

本作品は、主に光によって、画面の統一感を生み出していた。作画やエフェクトによって画面に光の整合性を生むことによって一つの世界観として成立していると考えられる。

キャラクターは近ければ近いほど線が太く誇張されており、キャラクターデザインからもアメコミ的な印象を受けた。イラスト的な特徴をアピールしているにも関わらず、それが画面全体においてはデジタル的なリアルさと共存している点には驚かされた。

個人的に印象に残ったシーンは倉庫の場面だ。絵が中心なのではなく、絵を一つの素材とし、最終的な撮影処理でどのように見せるかを重視しているような画面でフルデジタルによって生まれた新たな考え方であるように感じた。
ごじゃ

ごじゃ