このレビューはネタバレを含みます
「海賊バラクーダ」と同工異曲の海洋劇、但しあらゆるファクタアでこちらは一まわりずつ立ちまさっている。バラクーダ氏も日本では先に出たおかげでケチョンケチョン叩かれずにすんだわけだ。
先ずおハナシが、一応スッキリ筋を通して引締ってるのが、バラクーダの持ってまわった後味の悪さに比べて数等上、但しベン・ヘクト先生は何処にいらっしゃるのか一向さだかならず。監督キング先生もその滑らかさとホウカムの掴み方のたしかさでボザアギ先生のギクシャクとは大違い。更にヘンリイド氏よりバワア氏のいいことーーこりゃ言わねえでも判らあ。色彩もオスカアものだけ、二三のショットを除けば、チョコレートの箱のフタを思わせて晴れがましくも御見事である。
サテと、もう一つ最も大事なこと。
セイ!諸君、このモウリン・オハラ女史のおキレイさは例によって一体ナニゴトであるか。殊にその、柳眉を逆立てて怒り給う時の表情に至っては……鳴呼
『映画評論 7(6)』