うにたべたい

巨人獣 プルトニウム人間の逆襲のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.1
"戦慄!プルトニウム人間"の続編。
ハゲでオムツの巨大人間「マニング中佐」が、再びスクリーンで大暴れします。

大量の食料を乗せたトラックが消失する事件が発生します。
マニング中佐の妹"ジョイス"は、兄が生きていて、トラックを襲って食料を奪っているのではと考え、ジョイスとベアード少佐は消えたマニング中佐を探してメキシコの奥深くに探索に出かけるのですが、そこで大怪我を負い、顔の半分が潰れたマニング中佐に遭遇するという展開です。
前作と異なり、最初からマニングは人間性を失った怪物として登場します。
そんなマニングを捕獲し人間性を取り戻すよう語りかけを続けるのですが、マニングはそれを意に介さず、鎖を引きちぎって街に出て暴れ回り出し、慌てたジョイスとベアード少佐が追いかける展開となります。
人間性を失ったおっさんの暴走はもうどうにも止まらないっっ・・・!!

自身の身体が徐々に巨大化する恐怖、それに伴って精神が崩壊する様子が前作の見せ場だったのですが、本作はいきなり巨大マニングから始まるので面白いか不安でしたが、これがなかなか良かったです。
ラストもすっごい良かった。
クライマックスで子供たちの乗るスクールバスを放り投げようとするシーンがジャケットのシーンなのですが、そのシーンからジョイスの行動とマニングの決断が見ものでした。
パッケージを見る度に、その名シーンが呼び起こされますね。
いやぁ、いい映画だった。

マニング中佐は前作と同一人物ですが、演じている役者は異なります。
前作が好評だったため、急遽続編が作られたという経緯があり、そのためスケジュールを確保できなかったのか、前作と同じキャストは起用されていません。
妹も前作では登場しなかったのに、いきなり現れて自分がマニング中佐の一番の理解者でござるとばかりに活躍します。
馬鹿いっちゃいけない、マニングの理解者は許嫁のキャロルのはず、と思ってみたものの、さすがにオムツ姿で暴れ回る姿に愛想を尽かしたのか、本作ではキャロルは回想シーンでしか登場しません。
前作ではあんなにマニングのために尽くしていたのに、まぁいくら愛していたといっても、想い人がハゲた上に巨大化までしちゃったらそりゃあ逃げ出すのも仕方ないでしょうけど。

なお、原題は「War Of The Colossal Beast (巨大なケダモノ戦争)」。
前作ではThe Colossal Manだったので、タイトルからしてManではなくBeast扱いされちゃっているのが悲しいですね。
また、Warというほど戦うシーンも無いです。
前作もですが、怪獣特撮というよりは、人間ドラマ要素の強いシナリオだと思います。Beastですが。
ネタ要素も高いですが、本編は普通に面白かったです。