みおこし

紅はこべのみおこしのレビュー・感想・評価

紅はこべ(1934年製作の映画)
3.7
『風と共に去りぬ』のアシュレー役でおなじみ、レスリー・ハワード主演。宝塚のミュージカルなどで『スカーレット・ピンポーネル』として何度も舞台化されたりもしている題材なので、ご存知の方も多い作品かもしれません!しかしこのバージョンはマニアック過ぎたみたいで、mark数がめちゃめちゃ少ない(笑)。

時はフランス革命の最中、時の権力者ロベスピエールは貴族や聖職者を次々と捉えては、緊張関係にある敵国オーストリアとの密通の疑いをかけてギロチン送りにしていた。そんな貴族たちを救い出すべく、イギリス人による謎の結社「紅はこべ」があざやかな手口で暗躍しはじめ、政府はショーヴラン全権大使をイギリスに送り込むが...。

1934年の作品とは思えない躍動感とスリリングな展開に息を呑む、とっても爽快な活劇でした!尺もとても短いので時代劇& モノクロなのに観やすくて、こんなに知名度が低いのがむしろすごく残念です。原作をぜひ読んでみたい!
紅はこべのリーダーことパーシーは、その妻マルグリットにさえ自分の正体を明かしておらず、そこから生まれる夫婦間のドラマもとても印象的でグッと来ました。
果たして紅はこべが実在したのかはさておき、フランス革命の混乱期に正義を求めてギロチン処刑から人々を救うという義賊たちという設定もとにかくカッコよくて最高!
題材としても全く色褪せないお話なので、ハリウッドで最新鋭のキャストやアレンジでリメイクされてもおかしくないかも。

英国映画史の黎明期を支えたレスリー・ハワードは、『ピグマリオン』でもちょっとひねくれた雰囲気のヒギンズ教授役がハマり役でしたが、本作の2つの顔を持つパーシー公爵役もすごく良かったです。なんとこの作品の撮影前後、ヒロインのマルグリット役を演じたマール・オベロンと不倫関係にあったという噂が残っているらしく、そのマールのご主人は何を隠そう本作の製作で、大プロデューサーのアレクサンダー・コルダ!真相は定かではありませんが、かなりドロドロした裏話が残っているんだなと...。クラシック映画スター同士の秘められた恋の噂を知って、ちょっとドキドキしながら本作を観てしまいました(笑)。
でもレスリーもすごく素敵だったし、マールもまるで絵画のように美しくて本作にぴったりでした!

はあ、やっぱりクラシック映画は味があっていいですね〜!(笑)
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