図書館伝統借りて視聴。
確かに図書館で貸し出すような作品だな。
1978年 というと、そろそろ中国が改革開放に向かい始める時代。
北京郊外の小さな町の物語。
山あいの町には大きな工場。主人公の青年は親を欺き、工場勤務をサボり、ラジオを制作している。
母親は怒って、弟に工場まで毎日ついていけと命ずる。
中国の子供は「あの子を探して」同様に大人と同じ働きを強いられるんだな。
この弟も内気な性格で絵ばかり描いている。
そんな兄弟の家の向かいに北京から来た少女が現れる。
中国の地方の話だか、「あの子を〜」と違い、全く明るさや希望が見出せない。
二人の淡き恋も、あまりにもぎこちなさすぎて、やや理解に苦しむ点もある。
まして、なんともやりきれないこのもやもや感をどこにぶつけたらいいか、観客としても感情のもってき方が難しい映画である。
そんなことを意識してか、ロングのカメラアングルで、自然の中にポツンと動く小さな人間というカットがとても多い。
多くを語らない映画作家の精一杯の表現なのかもらしれない。
