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次郎長と小天狗 殴り込み甲州路のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.4
東映YOUTUBEにて。コレは面白かった。錦之介による若き日の次郎長シリーズの4作目とのことだが、次郎長の名は冠していても、あくまで外伝的な内容となっている。
主役はあくまで“小天狗”の方なのだ。
劇中で小天狗なんて呼称は無かったが、大前田栄五郎の息子・栄次郎を若かりし北大路欣也が演じる。この息子は多分創作なんだよね???

正義感の強いい栄次郎は芝居小屋で酔って暴れる役人をとっちめちゃったので追われる身に。
大前田の親分の計らいで他の地へ旅をし“海老屋”の居候になる。
(大前田栄五郎は1作目では傳次郎だったが、今作では柳永二郎が演じてるね)
実は栄次郎に海老屋の娘を嫁に取らそうとする画策もあった。
息子の代わりに牢に入っていた親父は次郎長が身元を引き受ける。

海老屋の娘は速攻で英治朗に墜ちる。早いな。
だが、海老屋の親父は武居のドモ安(竹居安五郎)が縄張り争いで殺してしまう。栄次郎は血気盛んにドモ安を追う。海老屋の縄張りを預かっていた次郎長も追う。だがドモ安にはバックに黒駒の勝蔵(山形勲)がいる…という構造だ。

まず、全体的に歌が多いのが良いね。次郎長一家が旅をする時は大概唄ってる。朗らかなヤクザだな。それ以外にもお芝居や芸者さんの歌唱シーンが多々あって楽しい。しかも石松がジュリー藤尾だ。当然歌の見せ場もある。

中盤にやっと栄次郎と次郎長が出会う。ここがやはり今作最大の見せ場だ。基本、栄次郎(北大路)が主役として話の中心にいながらも、次郎長が格の違いを見せつけることでちゃんと錦之介に見せ場がある。
血気盛んな若い栄次郎に、次郎長は落ち着き払って、まず海老屋の娘と結婚をさせる。結婚したら義父の敵討ちとなり、ドモ安を殺っても凶状持ちにはならないという理論だ。次郎長一家はこの敵討ちの助っ人に入るという形にする。なるほど。

黒駒の勝蔵の本拠地・山梨甲州へ。山形勲が貫禄ある演技で凄むが、次郎長は飛び道具だ!こういう所もcool!栄次郎に見せ場を譲りハッピーエンド。そして唄う。
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