増村の映画として観ると明らかに物足りないし「何やってんだよこれ」となるが、なんか嫌いになれない映画だった。
盗人をやってる家族の少年とクソ金持ちの女の子のボーイミーツガール。前半は『くちづけ』を想起させるような感じで所々増村っぽさを感じさせるも、いまいち盛り上がらない。ただお互いに愛が芽生えてからは個人的にはヘンテコで面白かった。お互い裸で浜辺で抱き合うのはイタリア人だと画になる。後半2人でいちゃついてるときお互いほぼ裸なの最高。外出自粛であんまり外に出れない中、こんなにも変な開放感のあるショットが見れただけでも個人的には満足。イタリアで留学して映画を学んだ増村にとっては夢のような企画だったかもしれないが、「力強い人間」を「日本人が」、「イタリア人を使って」、「海外を舞台に描く」となんか違う感じになってしまうのはなぜなんだろうか。
