【第78回アカデミー賞 主演女優賞受賞】
実在の歌手ジョニー・キャッシュとジューン・カーターの恋を映画化した作品。ジューン・カーターを演じたリース・ウィザースプーンはその年の主演女優賞を総ナメ、アカデミー賞も受賞した。
ホアキンもいつも通りいいんだけど、これはリース・ウィザースプーンのための映画と言っても過言ではない。彼女が登場した瞬間のあのきらめき、誰もが恋に落ちる。
リース・ウィザースプーンは『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』(ひどい邦題)しか観ておらず、そちらではやる気が空回りしているタイプの痛い女子高生をコメディエンヌとして演じていたが、本作は全く違う。
登場した瞬間のきらめき、ホアキンとの駆け引きでみせる戸惑いと芯の強さ、ジョニーを立ち直らせるための優しさ、全ての表情がこの映画に詰まっている。
この映画で受賞できたのはすごく幸運だったと思う。
まあ映画としてはかなり不格好。ジェームズ・マンゴールドは最近『LOGAN ローガン』『フォードvsフェラーリ』と発表する映画が次々と高評価を得ていて、そうした研ぎ澄まされた最近の作品と比べると粗さが目立つ。
あっという間にジョニーが売れてしまうのが不自然だし、ツアーのくだりが冗長で少し退屈。一応歌でカバーはしているのだが、父や母との関係性描写も中途半端で伝記映画としてはかなり変なバランス。
しかし描きたかったのはあくまでジューンとの恋愛であり、そこは文句なしに素晴らしい。それができていれば問題はない気がする。
とにかくリース・ウィザースプーンが素晴らしい。