rage30

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ジョニー・キャッシュの半生を描いた伝記映画。

前半は幼少期の体験から歌手としての成功と転落を描き、後半はジューン・カーターとの関係を軸に彼の再生が描かれていく。

ジョニー・キャッシュに関しては、ほとんど知識がなかったのだが、まぁよくあるタイプのロックスターだなという印象。
幼少期にトラウマや家族に問題を抱えていたり、栄光と引き換えにドラッグに溺れたりと、よく聞く話ではあるので、そんなに驚きはなかったかな。
ただ、犯罪者の視点から綴るリリックは強烈で、受刑者にファンが多いというのは興味深いところ。

それよりも、本作の見所となるのが、彼の2番目の妻となるジューン・カーターとの関係だろう。
2人が出合った時点でジョニーには妻子がおり、とても正しい関係とは言えないのだが、いつまでもジューンを追いかけるジョニーを見ていると、これが純愛の様にも見えてくる。
ジョニーがもっと早くに離婚してれば、こんなに関係がこじれる事はなかったと思うのだが、そんな簡単に離婚が出来る時代ではなかったのか。

ラスト、ステージ上でのプロポーズは実際にあった事っぽいが、ロマンティックと言うより、脅迫に近い印象で引いてしまった。
「結婚しなきゃ歌わない」って、そういう強引さ、短絡さが嫌われてる原因なのに、まるで分かってねぇ…。
一歩間違えれば、ストーカーにもなりかねないよ、この人。

映画全体を振り返ると、マンゴールド作品らしい手堅い伝記映画だったなという印象。
それぞれ生歌を披露するなど、主演2人の演技も見応えがあって、アカデミー等で評価されたのも頷ける。
惜しむべきは、やはり日本人にはジョニー・キャッシュが馴染み薄い事か。
彼の楽曲やパフォーマンス、その偉業について知っていれば、より楽しめる事だろう。
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