ホアキンをお兄さんと似てると思ったことはなかったんだけど、この映画はちょっと面影があるというか雰囲気が重なるところがあったな。このモデルとなった主人公自体の兄との関係をホアキン本人の持つ物語と重ねたのならちょっと悪趣味だな、とも思うんだけど。
ホアキンのいつでもどこでも重厚でしみったれた持ち味で作品全体を染め抜く力は稀有な才能だとは思うんだけど、ウディ・アレン作品ですら軽妙洒脱さを押し潰す重厚さは凄いなと思うんだけど、この愛嬌が全くない重苦しさは私にはちっともハマらないのでラブストーリーとして見るとこの男の良さが全く分からず理解できなくなる。ただこれをキリスト教伝道映画として捉えるとしっくりくるものはある。聖書でああやって落ちるところまで落ちきって目覚めることができるのは男の特権でもあるんですけど。そうやって男だけ大目に見られてる世界観をクソだとは思うんですけど。ホアキンのイエス・キリスト役は何だか妙に説得力があったからあそこに繋がる映画だったのかなと思えば何とか気を落ち着けてやり過ごすことができます。
私にはホアキン・フェニックスの持ち味がちっともハマらないけどあれにハマれる人は楽しく観れるんだと思いました。
