Maoryu002

終着駅のMaoryu002のレビュー・感想・評価

終着駅(1953年製作の映画)
2.6
ローマ・テルミニ駅からアメリカに戻ろうとしている人妻メアリー(ジェニファー・ジョーンズ)を探し、不倫相手のジョヴァンニ(モンゴメリー・クリフト)がやってくる。夫と娘を思うメアリーだったが、ジョバンニに引き留められ、列車をやり過ごして自分の選ぶ道を迷ってしまうのだった。

「自転車泥棒」「ひまわり」などの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督によるメロドラマ。
ほとんどずっと、ローマ・テルミニ駅の中で物語は進み、6時半から8時半まで、ほぼリアルタイムラブロマンスだ。

それにしてもイライラする!気持ちに逆らって、別れる理由をあれこれ見つけるメアリーの優柔不断ぶりもイラつくけど、ジョヴァンニの子供っぽさが目に余る。
確かに操車場の列車の中での偲び合いや、最後に交わす会話などはロマンチックだけど、あまりにジョヴァンニに魅力がなかった。

ただ、ジェニファー・ジョーンズの切ない表情と見事な鼻のおかげで、1時間半の鑑賞は無事に完了。笑

映画のつくりとして目を引くのが、駅の中を行きかう人々の描写だ。
旅行者、病人、子供たち、駅員、新婚夫婦。彼らが微妙に2人の物語の間に入ってくる。
その彼らの存在によって、全く説明のないメアリーとジョヴァンニがどんな人間で、どんな心理状態なのかを見せてくれる。そこは非常に巧みでお見事!
そして、そんな外的なきっかけによって2人は覚悟を決めることになるのだ。

残念ながら、切なくも必然の結末に感動はなかったなー。
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