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終着駅のkojikojiのレビュー・感想・評価

終着駅(1953年製作の映画)
3.6
#1227
1953年 アメリカ🇺🇸/イタリア🇮🇹映画
監督はイタリアの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ

ハリウッドの映画プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックが映画『逢びき』(1945年)に匹敵するメロドラマを作ろうと、イタリアの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督を招いて作りあげた恋愛映画。
 
愛は逡巡する。不倫となればなおのこと。
映画の全てが「逡巡」。女と男の別れの数時間を描く

舞台はローマの中央駅。
妹の家を訪ねていたアメリカ人のメアリー(ジェニファー・ジョーンズ)は、観光案内をしてくれたイタリア男ジョバンニ(モンゴメリー・クリフト)と恋に落ちる。二人は一ヶ月間蜜月を過ごす。しかし、今日、メアリーはアメリカの夫と子供を捨てられないと別れることを決心し、ローマ駅にやって来た。
しかしジョヴァンニが追いかけてくる。彼は彼女を思い留まらせようと説得する。彼女も何度も残ると決め、帰ると言い出し、そしてまた彼と一緒にいたいと言う。

夫を選ぶか、愛人を選ぶか。
揺れ動く89分。
「どうするの!はっきりせんかい!」と言いたくなるのはやまやまだが、恋する二人には言えない。トコトン悩んで下さい。

20時30分パリ行きの列車が出る1分前。女はまだ迷っている。諦めきれない男も列車に乗り込む。二人の顔はどう見てもキスがしたくて仕方がない。見つめ合う。
なんと最後の車掌の言葉。
「発車しました、降りて下さい。」
すごい結末。

ジェニファー・ジョーンズは「慕情」よりこちらの方が魅力的だ。
愛の逡巡が好きな人はご覧下さい。私は年を取ったのか、ちょっと付き合いきれません。

2023.06.07視聴262
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