かおる

蟹工船のかおるのネタバレレビュー・内容・結末

蟹工船(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

小林多喜二の『蟹工船』が原作。
原作をイメージしないで観た方がいいです。タイトルだけで観たので、前情報入れてから観たらもっと楽しめたかもしれない…。
逆に、原作を全く知らない方が楽しめると思います。
原作が好き(好きという表現でいいのかわかりませんが)なので、そのイメージを求めすぎました。私の中の『蟹工船』が邪魔をした…


観ていて、汚れていたり出てくる話や背景は原作通りっぽいのに、着ているものの質感が現代的だったりタコ部屋が近未来的(に私には見えた)だったり、どうなってんの?わざとそうしてんの?どうしたいの…?と、、困惑しました。
この映画では、現代の観客に向けて、あえて主人公や時代設定を特定せずに作ったそうで、それを知って疑問は解消されたんですが、その違和感が観ている間ずっとあったので、これはもったいなかったなと…知っていればそう思って観れたのに…

あと、集団自決のシーン、こんなのあった!?とちょっと驚きました。笑っていいのか、でも笑えないというか、困りました。
ここはオリジナルで入れたシーンのようで、監督は笑ってはいけないシーンで笑わせたかった、と。ユーモアを前に出すという監督の意図に、ことごとく困惑してしまったようです…

労働者たちが権利意識にめざめ、ストライキに向かっていく流れは少し性急に感じられましたが、込められたメッセージは強く感じられました。

キャストはとても豪華でした。雑夫長の腰巾着感が好きです。笑
かおる

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