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マッドマックス2のYYamadaのレビュー・感想・評価

マッドマックス2(1981年製作の映画)
3.7
【アクション映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 心理描写より外面的な動作を重視
 ○: 格闘・戦闘を解決の糸口とする

◆作品名:
マッドマックス2 (1981)
◆アクション映画のジャンル
近未来 / 石油精製所の防衛
◆類似作品
・ウォーター・ワールド
・北斗の拳

〈本作の粗筋〉
・妻子を失い、あてのない旅を続けていたマックス。世界はこの数年で、大戦争が起き石油危機を迎え荒廃していた。
・マックスもまたガソリンを求めて彷徨っていたが、ある日、石油精製所を守る人々と暴走族の抗争に巻き込まれる…。

〈見処〉
①さらに凄みをまして、マックスはいま
 荒野の狼になった!
・『マッドマックス2』(Mad Max2:The Road Warrior)は、1981年にオーストラリアで製作されたバイオレンス・アクション。
・退廃的な社会を背景に凶悪化したハイウェイの殺し屋たちに挑む警官マックスの活躍を描いた『マッドマックス』(1979)の続篇である本作。監督のジョージ・ミラーは、作品舞台を前作のオーストラリアの片田舎から大戦後の荒廃した世界に変え、マックス以外の登場人物も全て一新。世界各地の英雄神話を参考とした「世紀末救世主」伝説をストーリーの主軸に据えた。撮影開始前のミラー監督は、メル・ギブソンギブスンに『シェーン』と『用心棒』の鑑賞を指示し、役を練り込んだ。
・前作の10倍となる本作の制作費約4億円の大部分をマシーンの改造費に当て、より激しいカーチェイスを前面に押し出した本作であるが、アメリカ公開にあたっては、前作の低い知名度を懸念して『The Road Warrior』のタイトルにて公開された。

②インフルエンサー映画
・本作にて描かれた、文明が滅んだあとの「終末の世界観」は、後世の様々なクリエイターに大きな影響を与えている。有名なところでは、日本の人気マンガ「北斗の拳」や日米で人気を誇ったプロレスラー「ロード・ウォリアーズ」。
・また、ゲームの世界では、古典的名作「Fallout」や、コナミが誇る「メタルギアソリッド」のクリエイター、小島秀夫氏も本作の絶大な存在感を認めている。
・映画界では、海上版マッドマックスと称される『ウォーターワールド』(1995)が代表的であるが、ギレルモ・デル・トロ、デヴィッド・フィンチャー、ロバート・ロドリゲス、本作を溺愛する映画作家は後を絶たない。
・極めつけはジェームズ・キャメロン。彼が製作した『ターミネーター』に本作の影響を受けたことを明かしており「ハリウッドで最も影響力のある人物に影響を与えた作品」といえる。

③結び…本作の見処は?
◎: 本作が描く「世紀末英雄伝説」は、荒廃した作品舞台、強烈なキャラクター、強いガソリン臭…どれをとっても唯一無二な傑作。
◎: マックスが暴走トレイラーを操る、ラスト20分の強烈なカーアクション。そのスタントマンは、万一救急車で運ばれて手術するときのために、撮影前12時間から一切の食事が許されなかったほど。『マッドマックス/怒りのデスロード』の原型となるこのシーンは、今見ても、色褪せない。
○: 発したセリフはわずか16のみのメル・ギブソン。前作よりも精悍さを増し、まさにケンシロウの風貌。
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