このレビューはネタバレを含みます
冒頭で簡単に「マッドマックスたる所以」の説明はあって、一作目を観ていなくても楽しめるように配慮されている。
本作は英雄と少年の物語と言い切ってよい。
もう完全に警察官の背景もバッサリなく、北部民族長老が回想する物語になっている。油田発掘グループと暴走速「ヒューマンガス」の抗争にガソリン欲しさに首を突っ込んだマックス。
思いの外代償は大きく、トレーラーを見つけてくるミッションを成功させ満タンのガソリンで出発したマックスだったが、ここで「ヒューマンガス」の攻撃によりインターセプターは大爆発・大破してしまう。
結局仕方無しにガソリンを積んだトレーラーの運転手を買って出るマックスだが、ここでも「ヒューマンガス」の攻撃に遭い、仲間たちが大勢やられてしまう。最後はタンクローリーも横転してしまう。実はガソリンは予めバスにドラム缶で積みかえ難を回避していたのであった。
オートジャイロの「オートジャイロキャプテン」がいい味を出していて、自分は随分邪険にされたのに関わらず、マックスの窮地をみたび救う。
パッパガーロ以下の部下のキャラクターも、ヒューマンガスのウェズも個性があっていい。
そして北部民族長老の語り部はろくに口も利かなかったが、マックスに惚れ込み最後までついてまわっていた殺人ブーメラン使いの少年「フェラル・キッド」であった。マックスは彼の中で最上の英雄なのである。
「ヒットの二作目は難しい」と言われるが、全く斬新な脚本で充分見ごたえある作品になった。ただし正統派の続編もやはり見てみたいと感じた。