凛葉楓流

東京オリンピックの凛葉楓流のレビュー・感想・評価

東京オリンピック(1965年製作の映画)
3.8
序盤から高揚感があるのは何故だろう。これから祭りが始まる。確実に僕がいつか感じた、祭りの感触がそこにあるのに、それがどの祭りなのかはわからない。

選手の肉体と画面から滲み出るセンス。映像と映像を繋ぐ理性がそれを抑制し秩序立てている。ゴールを揺らしたサッカーボールはホッケーへと変わる。バスケットボールが宙を舞い、水球が始まる。銃声が鳴り、東京を自転車が駆ける。気づけばその応援に群がった群衆の前を、ランナーが通り過ぎていく。


(カッコつけた文章はここまでにして)どうでもいいことを語ると、ロシア人選手の体格がおかしい。特に女性選手。あー、やっぱドーピングしてるわ。あと日本人の顔がなんというか、素朴だね。昔の日本人を見ると、なんというか東洋人なんだよ。だからこそ、僕たちは日本人である前に東洋の一員であるような気分になる。
最初の演出もキマってるし、止めとスローの使い方が抑制されてるわりにはここ一番で使ってる。すげぇわ、これは。2020の映画も観たし、なかなかやるじゃないかと思ったけど、確かに60年前のこの作品と比べるとあのクオリティは出来て当然か。
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