三体艦隊

メランコリアの三体艦隊のネタバレレビュー・内容・結末

メランコリア(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ラース・フォン・トリアー作品を初めてみました。みていて苦しくなるほど長く、ねっとり丁寧に描かれる序盤の地獄の披露宴から、惑星衝突に至るまでの心の変化まで、とても美しく描かれていました。
精神疾患の主人公だけではなく、周囲の人々も一癖も二癖もある人物。
権力欲やお金等物質的な欲求を優先させている人々がこの社会ではいわゆる「普通」であり、病のため精神的な苦痛を深める主人公は「異常」でしたが、惑星の衝突で突如死を突きつけられると「普通」の人のいかに脆いことか。
突然の死に対する過剰な恐怖については、真木悠介著「時間の比較社会学」で詳しく語られていますが、この恐怖は普遍的なものではなく、現代社会に特有の病なのです。
「普通」と「異常」の転換がとても面白かった。翻って、突然の死を軸として考えると、現代社会の「普通」の価値観をイノセントに身につけることがいかなる危険性を伴うかということもよく分かります。
みるのに大変疲れましたが、良作です。
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