ハマジン

メランコリアのハマジンのレビュー・感想・評価

メランコリア(2011年製作の映画)
4.0
何度見ても好きな映画。地球滅亡映画は他にも定期的に見返していきたい。フェラーラ『4:44 地球最期の日』とか。

「地球の生命は皆邪悪だからすべて滅んだほうがいい」という鬱病人の希死念慮込みの破滅願望がそのまま実現する「惑星メランコリアの衝突」まで、時間の前後一切なしにひたすら一直線で進む力強い作劇。トリアー印の手ブレカメラに前半若干酔いつつも、あのラストの有無を言わせぬ固定正面ロングのための壮大な前振りだと思えばまったく苦にならない。
惜しむらくは、劇伴をワーグナー『トリスタンとイゾルデ』前奏曲一本で押し通せなかった点。エンドクレジットの音楽が「トリアーお前日和ったな」と一瞬頭をよぎるくらい蛇足の感があって、何ならいっそのことイーストウッド『アメリカン・スナイパー』ばりに無音のお通夜状態にしたってよかったのでは、と思う。
今回見直して改めて印象に残ったのは初見時のキルスティン・ダンストよりも、検索ワード「メランコリア 死」でドゥームスクローリングを始めちゃうシャルロット・ゲンズブールの卑近な哀れさの方。自分も多分こっち側の人間なので。
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