このレビューはネタバレを含みます
すごい好き。
きっと悲しみとか怒りのステップも超えて、気力も希望も失ってしまった主人公。
“心に穴が空く”っていうのは大袈裟じゃない。
判断力が鈍る感じとか重度の鬱の描写にとてもリアリティがある。
ジャスティンを見ながらずっと自分を見てるような感覚だった。
この映画のトーンとしてずっと靄が掛かったようにどよんとした感じがあって、それが(寧ろ)落ち着く。どこか安心感すら覚えてしまう。
ジャスティンが鬱になるまでの過程とか、そもそもこれといったきっかけが描かれてないのもなんかとても良かったりした。
地球が終わりです、となったら毎日に充足感があったり日々に幸せを見出せてこれから先の未来にも希望を持っているならそりゃ取り乱すし、そうでない主人公はありのままを受け止める。それは運命に従うとかそういうことでもなくて、ただ流れに身を任せるだけ。
多分これは「鬱映画」で「バッドエンド」なのだろうけど、私は心が不健康だからこそ穏やかに見れた気がする。劇中のジャスティンと同じように。