テテレスタイ

アイデンティティーのテテレスタイのレビュー・感想・評価

アイデンティティー(2003年製作の映画)
3.0
一人で見るより、友達と一緒に映画館で見て、
「びっくりしたね」とか「あいつがとは思わなかった!」とか、
安心して友達とおしゃべりして共感ができる作品だと思う。

いろんな登場人物が出てきて、伏線やミスリードをたくさん残してくれるおかげで、友達と会話するネタにも事欠かないし、誰かと一緒に見たい映画として監督さんは仕上げているような気がする。登場人物たちの意外な共通点を用意したことも、お互いの共通点が相手と仲良くなるためのヒントってことだし、無駄知識で知識マウントをとる登場人物がいなかったことも、嫉妬心や劣等感が刺激されることなく誰でも入り込みやすい世界づくりに貢献している。

ストーリーを振り返ってみると、登場人物たちのリーダーとしてちゃんと認知された人物がいないことに気づく。だから登場人物たちは割と自由と言えば自由で、上下関係が完全には成立していないことも友達作りにおいて大切だって思えてくる。

この映画のストーリーは友達作りとは正反対なものとなっているけれども、どの登場人物もそれぞれ脛に傷を持っていて、出会うタイミングさえ良かったら友達もしくは悪友になれたかもって思えてくるのが不思議だ。ただし真犯人を除いてね。だから真犯人は本当は友達が欲しかったのかなって想像ができて、なおさら友達と話がしたくなる、そんな映画。