アーリー

友よ、風に抱かれてのアーリーのレビュー・感想・評価

友よ、風に抱かれて(1987年製作の映画)
3.7
2023.4.7

コッポラ二度目のベトナム戦争映画。
主演にソニー役のジェームズ・カーン。

「地獄の黙示録」を観た時に、ベトナム戦争を題材にした作品はどれも狂わされた兵士が描かれてると書いた。けど、さっさく今作でその経験が否定された。そもそも題材がなんであれ、上官の立場をメインキャラに据える戦争映画は初めて観たかも。
 戦場ではなく、残された人々を映すことで、戦争の悲惨さを表現している。若い頃は戦場に出て活躍することが一番で、死ぬことに対してそこまで恐怖を覚えていない。誰から何言われても無駄。けど実際に体験すると、想像以上のしんどさ、無常さがある。そういう人間がアメリカでは多いんかな。愛国心あふれる若者ってだいたいの作品に出てくる気がするし。そういう感覚がわからへんから、なんというか親近感みたいなものはわかへん。

凄い飛ばし飛ばしな作り。ダイジェストを観てるかのよう。ジャッキーの扱い方が微妙というか、クレルとジャッキーどちらをメインで描きたいのかがわかりにくい。たぶんクレルなんやろうけど、ならジャッキーの手紙の暗唱から物語が始まるのはややこしい。あとなんで先にバラしたんやろう。時系列が追いついた時もやけにあっさりやし、盛り上がりに少し欠けるかな。

上官と士官?のあんなフレンドリーなやり取り初めて観たかも。ほんまにあんな感じあるんかな。父親代わり息子代わり。お互いがお互いの存在を必要としている感じ。なかなかほっこりした。

クレルはこのあとベトナムに行ったのか。戦争なんてやっぱりしたらあかんな。
アーリー

アーリー