スポッと土管を抜けたみたいな映画だな。
突然のヴィム・ヴェンダース。全然観るつもりはなかったのに、配信のオススメに出て来て急に観たくなってしまった。
キャッツのチラシみたいなオープニングも抑圧の向こうの空を見つめる二つの目だし、好き。(土管が予言されているらしきことに今ビックリした。)
孤独が前提だから乾いている。
そんな人々が血の繋がりに何を求めれば良いのか期待すれば良いのか分からないまま、淡い期待に留まる自己愛。いや分かっているのよ。確認したかっただけ。少なくとも戸籍云々よりはずっと生理学的な血を感じる映画だし魂だと思うのだ。
ダメなのは邦題なんじゃないの、家族って。アメリカに家族付けといたらいいかというセンスは今すぐ考え直さなくちゃいかん。2005年の映画。ざらついた画面がもっと古く感じる。
あとサラ・ポーリーは監督した『ウーマン・トーキング』が今年のアカデミー脚色賞。観てなくて残念。