ダイナ

害虫のダイナのネタバレレビュー・内容・結末

害虫(2002年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

教室内で笑顔の女子高生達に取り囲まれる無表情の宮﨑あおいというパケ写に不穏な展開を想起させる題名、主題歌ナンバガ提供という点に惹かれ鑑賞。脇を固めるバイプレイヤーの層の厚さが凄い。たまの石川さんも出てる!

サチ子含め誰もが誰かの害虫という解釈でしたが、本作wikiいわく監督としては害虫はサチ子のことらしいです。全体的に見たらサチ子が色んな人物の厄介者的存在な訳ですが、明確な悪意なくても生きてるだけで他者を害するというのは、切り取る場面次第で誰にでも当てはまるのではと思いたい。母親や夏子の存在もサチ子にとってどうなのと。言葉には出しませんが行動の一端には衝動が垣間見えるような、しかし真意はどうなのか。攻撃的なナンバーが叫ぶまんま、彼女の本当を誰も知らないわけです。明確に映されるクライマックスの分かれ道の前、理解しようとしていた彼氏のシーンもサチ子の今後の分水嶺だったのではと思ったり。

廃工場?の屋上で高難易度ゲームの足場みたないところをもじもじしながらうろうろするサチコとタカオのワンショットが印象的。放火(途中楽しんでたのに急に「やっべ…」って現実に戻る感じが怖い)や机をガラガラ引き摺るシーンの一線超えちゃった感じやクライマックス、過剰な演技を取り入れずに邦画の淡白さを残しつつ過激さを感じさせる内容で面白かったです。

監督と向井秀徳のヤニ吸いながらのだべりであったり、作中の反動なのかずっとニッコニコでウキウキな宮崎あおいの可愛さが半端ねえメイキング詰まったDVD特典の充実具合が良かったです。カメラマン「どう害虫は、話的に?」宮崎あおい「よくわかんないw」こんなん笑うわ。
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