さわら

キャノンボールのさわらのレビュー・感想・評価

キャノンボール(1980年製作の映画)
4.5
みなさま、お久しぶりです。今後ともよろしくお願いします。

5000キロを早く走り切る。単純極まりないこのレースが「キャノンボール」!レース参加者はニセ救命士、NYのチンピラ、黒人神父、イスラム教徒、日本人レーサー(?)であるジャッキーチェンなどなど、破天荒なゴロツキ、飛ばし屋ばっかが集まる。スピード超過、飲酒運転お構いなしのレースの始まりだ。
なぜ走るのか?なぜ早くなくてはいけないのか?そもそも仕事は?それに対する明確な理由は描かれない。むしろそんな質問いささか場違いで反吐が出る。一回だけ「なぜ走るの?」と好きな女に問われた主人公のJJが「情熱だ」「やりたいことはすぐに実行にうつす」みたいなことを言うが、わかるようなわからないような。つまり答えなどないんだと思う、それでいいのだ。
超個性的なメンバーが集まるが、特に木が好きという清楚キャラ・ビューティーの清楚な役柄なのに、胸元が緩すぎて爆笑。さらにノーパンを告白するなど、初めの清楚キャラはどこへやら。ブレブレの設定なんだけど嫌いじゃない。全ては映画の雰囲気による。また敵同士にも関わらず、レース途中の場外乱闘やゴール後の大団円は素晴らしく清々しかった。運転は荒いが、心にスポーツマンシップは持っている。昨日の敵は今日の味方、そんな言葉を体現してくれている展開だった。
なんかに似てるなーと思ったら、そうカンパニー松尾『テレクラキャノンボール』である。そもそも今作が好きなカン松さんが憧れ、AV版キャノンボールを製作したらしい。車に興味があるわけで無いし、スピードへの憧れがあるわけでもない小生(むしろ安全すぎる運転)。だけどこの映画が好きすぎるカン松さんの気持ちがわかる気がする。すっげぇ気持ちのいい映画だった。
日本映画版キャノンボール作るなら、菅原文太は必須だな。それと渡瀬恒彦、安岡力也。そんなこと思ったらワクワクが止まらない!